今さらではあるが、何か一つ、何でも良いのだけど、その一つの事象にインスピレーションを受けて、頭の中にパァッと映像が広がりそれが文章に現れている、ことも少なくない。

たった一滴の真実の湧水が、想像と妄想の川を経て、やがては大海原へと流れて行く。




彼女の足どりを想像してみる。

決して軽くはない足どりに、今日のこの気候がどんな影響を及ぼすのか。
少し肌寒い澄み渡る秋空の、時折シュッと吹き抜ける風が、心の中の不安を掻き立てるだろう。
そんな時こそ、背筋を伸ばして歩くべきだ。

親友に会いにいく。

抱えた白菊の香りが、映像から抜け出して香ってくる。

せめてその背中を押せるような、そんな言葉を探している。
いや、多分、僕の思い過ごしだ。
大丈夫。

久しぶりの再会なのだから。
きっと二人とも、笑顔に違いない。

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根源にあるもの。
生きていることに敬意を払っている。

まさに、人間オマージュ。

あの頃はよかったなんて言いたくはなかったのにな。
あの頃はよかったなんて、言いたくはなかったのにな。